第①7年期(0歳~7歳)の特徴と大切なこと
・模倣することで体が作られる
・リズムのある日常を過ごす
・様々な感覚体験によって感覚を育てる
・喜びと楽しみを感じること
・昔話や童話を読む、ファンタジーを大切に
模倣することで体が作られる
シュタイナー教育では、0歳から7歳までを第①七年期と言い、意志を育てる時期と言っています。そして「体」を作る時期でもあります。
7歳以降も体は成長しているわけですが、体のおおよその部分が出来上がるのが7歳くらいまでで、その後はその基礎として出来上がった体が大きくなるという考え方です。ですのでこの7年間は人間の基盤を作るために、様々な方向から子供の感覚器官に働きかけることが大切です。
そのために大切な役割を果たすのが人間の能力のひとつである「模倣衝動」です。子供は、自分が見るものを真似していいものだと思います。大人や周りの動きや言葉を模倣して体の動きを覚えたり、言葉を発することを覚えるので、親は真似してほしくないことは大人がやらないという事が大切になります。子供に「~してはダメ」と禁じる事よりも、模倣を通して子供に教えていくというほうがはるかに重要です。
リズムのある日常を過ごす
また、模倣するということは、毎日ある程度同じリズムで過ごすという事も大切です。朝起きる時間や食事の時間、寝る時間が毎日極端に違ったり、いつもはダメという事を親の都合でOKにしてしまったりしたら、子供は混乱してしまいます。なかなかこれが難しいのですが、これを基本と思ってやるだけでも少しは違ってくるのかなと思います。
様々な感覚体験によって感覚を育てる
身体を作るという部分では、様々な感覚を使っていくことが大切なようです。子供は大人とは比べ物にならないくらい集中して目の前の物を体験します。自然に触れたり、季節の物を食べたり、歌ったり踊ったり、本を読んだりと子供が楽しそうにすることをたくさん体験させてあげたいです。また、心地の良い環境で生活させるという事も大切です。
喜びと楽しみを感じること
子供が「喜びと楽しみ」を感じる行為から、子供は興味を持って想像力を広げる事ができ、それが体と心を成長させます。子供が感覚として楽しんでやりたいと思う「意志」が思い切り十分に活動できるような環境を与えることが大切です。
喜びと楽しみの日々を通して、「世界は善である」という無意識の確信を感じることがこの時期に必要です。
昔話や童話を読む、ファンタジーを大切に
ファンタジーの世界は子供にとって現実と同じくらい大切です。ごっこ遊びなども同じようにファンタジーの世界です。ファンタジーある生活を大切にしながら日々を送ることによって、子供の内面がより豊かになっていきます。童話や昔話などの本を読んだりお話をしてあげることも大事です。子供は何度も何度も同じ話を聞きたがりますが、子供は飽きないので何度でも聞かせてあげます。また、こういうお話を通して、感覚として何が善で何が悪かといった倫理的な心が徐々に作られていきます。
参考文献:「シュタイナー教育の基本要素」
「シュタイナーの子育て30のヒント」
「シュタイナー教育を語る」
「一般人間学」