シュタイナー教育では子供を4つの気質に分けてそれぞれの気質の特徴に合わせて接することを大切にしています。子供に限らず、大人が気質を考える時も同じようにあてはめることができます。
4つの気質は以下の通りカッコは4大元素と言われるもので気質と同じ区分で考えられています。
1.胆汁質(火、熱)・・・エネルギッシュで意思が強い、行動力、正義感がある、怒りっぽい。
2.多血質(風、気体)・・・明るく軽やか、興味が移ろいやすく飽きっぽい、怒られたりしても気にしない。
3.憂鬱質(地、個体)・・・変化を嫌い、一人でいる時間を好む、自分の世界を大切にする、芸術性が高い。
4.粘液質(水、液体)・・・穏やかでマイペース、興味がある事には集中できる、他人に合わせるのは苦手。
このなかの一つの気質、というわけではなく皆少しずつどの気質も持っているけれど、特に多い気質があり、その特徴が体や動作に現れるようです。自分に近い気質を知って、客観的になって自分を知るきっかけにしたり、自分の子供がどの気質が強いかと考えてみて、だとしたらどう接するといいのか?と考えて子供と向き合うと、気持ちが少し楽になるように思います。
幼児期は同じ気質の子供同士で遊ぶ方がいいと言われています。リズムが一緒のお友達同士で遊んだほうが楽しく、自分のペースを崩されることもないからです。この時期は「人生は楽しい」と純粋に感じられることが、意思を育てていくうえでとても大切なのです。もう少し大きくなってくると、違う気質の子と遊ぶことで違いを知ることができ、様々な人と関係を結ぶことを学んでいきます。
子育てに限らず、家族や仕事での人間関係などにこの4つの気質を当てはめてみると、なかなか分からなかった人の言動や態度を理解するきっかけになるかもしれません。
この4つの気質自体は医学の祖と言われているヒポクラテス(紀元前400年頃)が四体液説を唱えたのが最初ですが、その後このヒポクラテスの考え方を紀元2世紀に活躍したガレノスが体系化しました。ヒポクラテス以前からも、自然は、火、風、地、水の4つの働きが森羅万象を作り出していたと考えられていて、この考え方から占星術の4区分も使われるようになったのですね。
参考文献:『シュタイナー教育の四つの気質』高橋巌、『シュタイナーの子育て30のヒント』岩橋亜希菜、『マンガでやさしくわかるシュタイナー教育』井藤元