7歳~14歳の時期にシュタイナー教育で考える大切なこと
・「感情」を育てる時期
・美しいものを見る、体験する
・身近な大人を権威としてとらえる
・伝記や偉大な人のお話を読んだり聞いたりする
「感情」を育てる時期
7~14歳の子供は「感情」をしっかり育てることが大切です。「感情」は「思考」と「意志」の間にあってその2つをつなげる役割をもつので、感情を育てることによって感じたことについて考え(思考)、それを実行(意思)できる力になります。この力がうまく育たないと、感じたことを何も考えずに行動に移してしまったり(例:SNSなどに迷惑な行動をアップしてしまう人)、考えてばかりで行動できない人間になってしまいます。
感情を育てるにはこの時期に、様々な感情が激しく揺さぶられる体験や、その感情を味わう体験を持つことがいいそうです。生の喜びの感情がこの時期の子供を作っていきます。例えば学校の授業や部活動で皆で大きな声で笑ったり騒いだり泣いたり怒ったりしながら身体を動かす、学芸会で発表するために仲間と準備をして練習し本番を迎える、といった生き生きとした活動が子供の感情に大きく作用します。
美しいものを見る、体験する
芸術は人間の体に大きな影響を及ぼすので、本物の芸術が体験されなければなりません。よい歌や音楽、絵画といった芸術の「美しさ」を感じる感動体験は子供のバランス感覚を育て、倫理観を育てます。豊かな自然を感じる事、整った部屋でのリズムのある日常生活を送る事も同じようにバランス感覚を育てます。
このような体験を通して7~14歳の第②7年期は「世界は美しい」という無意識の確信が子供を成長させていきます。
身近な大人を権威としてとらえる
大人は子供に威厳と手本で子供を導きます。「これはやってはいけない。それは止めなければならない」といった原理原則を信じるのではなく、子供が「この人が行っていることは良いことだ。この人がやらないことは私は止めなければならない」と感じ信頼することで理解します。威厳と言っても子供に対して威張って力をみせるというものではなく、信頼される誠実な態度が子供の手本となります。
伝記や偉大な人のお話を読んだり聞いたりする
同じように子供は伝記や歴史的な人物の物語、文学作品に触れる事を勧めています。伝記を読み人間の生涯をイメージでとらえることで、自分の理想が作られたり、様々な人生があることを知ります。歴史上の偉人だけでなく、例えば親戚や知人の中で尊敬する人物について大人が語る事も、理想となる人間のイメージを作るきっかけになります。