アロマテラピーとシュタイナー

アロマ

私はアロマテラピーを学び、その後25年くらいアロマテラピーやハーブの仕事を途中お休みしながらも細々と続けています。

同時にシュタイナーについても興味があるため、アロマテラピーとシュタイナーで繋がる事があったら楽しく世界も広がるなと思いながら日々本を読んだりして学んでいます。

今のところシュタイナーがアロマテラピーに関わっている分野というと、「リズミカルアインライブング」が近いのかなと思います。

「アインライブング」はオイルを使ったアロマトリートメントに近い施術で、主に看護師が患者さんに行うもののようです。書籍ではイラザ出版の『シュタイナー・リズミカルアインライブング』モニカ・フィンガドー著があります。この本では看護士だけでなく、母親が子供に対してやセルフケアとして行う事も勧めています。

この本の中で施術で使うオイルは、一般的にアロマテラピーで使用する植物オイル(アーモンドオイルやオリーブオイル)をベースにしてエッセンシャルオイルを使う事も示されていますが、それとは別にドイツのメーカー(WELEDA、WALA、Dr.Hauschkaなど)で販売されているブレンドオイルなどの使用も説明されています。オイル以外にも乳液や軟膏を使ったりもしています。

アインライブングは日本でも施術が受けられ、いくつかのアントロポゾフィー診療が受けられる病院に併設されたトリートメントルームで受けることができる所もあるようなので興味がある方はインターネットで探してみるのもいいかもしれません。

また、私が今まで目にしたアロマテラピーの書籍でシュタイナーについて言及しているものはほとんど確認できませんが、私がアロマを本格的に学ぶ前に、初めて購入した本の中のラベンダーオイルの説明のところでシュタイナーに関する記述がありました。

ラベンダーオイルは物質体・エーテル体・アストラル体の三つを安定化させるとし、心理学的な不調を癒す効果をこれが示すと唱えました。

フレグランスジャーナル社 ワンダーセラー著「アロマテラピーのための84の精油」

この記述がどこから引用されたのか知りたいのですが、今のところわかりません。

身体や健康についてのシュタイナーの本は沢山あって、その中で食事や栄養、病気などに関する記述で、体のケアとしての植物の使い方なども時々書かれています。 沢山ある書籍の中のほんの一部しか読んでいないので、この先も新しいアロマやハーブに言及した内容と出会えればいいなあと思っています。

ハーブやアロマを使用する時に、人智学の思想と合わせて選ぶことができたら面白いなと考えていて、自分のなかで、例えばシュタイナーの説く人間の4つの構成要素や、3分節に分けて考える時にそのバランスを取るためにどんなエッセンシャルオイルやハーブを使ったらいいのかなど、自分や家族、お友達に協力してもらいながら試したりしています。

ただそんなに難しいことではなく、ベースはアロマテラピーやハーブ療法で長く言われていること、研究されて実証されていることを基に、シュタイナーの考え方によせて組み合わせてみている、といった感じです。詳しくは「エッセンシャルオイルを選ぶ時に」をご覧ください。

アロマテラピーもハーブ療法も、植物を利用しています。アロマは空気中に広がり、そこから鼻腔に入って体内に取り込まれるので、見えない「何か」を体に取り込んでいるイメージもあります。自分が必要としている香りを取り込むことで、自分の体という「物質」部分だけでなくその他の部分、シュタイナー的にいうとエーテル体、アストラル体、そして自我にまで働きかけることができるのかもしれないと考えることもできます。ハーブも同じように、ハーブティーにして飲んだり、入浴剤など外的に使用することで体内に取りこむ事ができます。

今までの使い方と知識で何を使うかはそれほど違いはないかもしれませんが、シュタイナー的な考えを取り入れることで、より深く作用や効果、そして気づきを得られるかもしれません。

シュタイナーは植物を観察する事を一つの学びや瞑想法として勧めています。とにかく植物を隅から隅まで観察することで、その植物そのものだけでなく、自然の叡智、観察している私自身や地球全体、そして宇宙にまで広がりが得られることだってあるようです。

そんな無限に広がる思考を楽しむ事も、アロマやハーブから始められるといいなと思っています。